Gaijin Perspective|外側から見た日本の英語:誤解が生まれる場所、強みが光る場所
「日本人の英語は正確で丁寧。でも会議だと反応が遅い」「Yesと言うのに進まない」——こうした評価は、能力不足ではなく文化の設計差で起きます。
このページは“外側の視点”で、日本人が損しやすいポイントを明確化し、日本の強みを武器化します。
結論:誤解が起きるのは英語が下手だからではない。期待される振る舞い(会話のプロトコル)が違うから。
プロトコルを学べば、英語は急に強くなる。
プロトコルを学べば、英語は急に強くなる。
目次
1. “会話プロトコル”の違い(これが本体)
2. 外側が誤読しやすい日本的サイン
3. 会議:沈黙/Yes/合意がズレる瞬間
4. メール:丁寧さが弱さに見える瞬間
5. 交渉:押し返しを“失礼”だと思う罠
6. 雑談:目的が違う(関係 vs 情報)
7. 日本の強みを武器化する(外側視点の再設計)
8. すぐ使える台本(会議・メール・交渉)
1) “会話プロトコル”の違い(これが本体)
外側(低コンテキスト寄り)の現場では、会話には暗黙のルールがあります:
話す=立場を置く、質問=前に進める、合意=次アクション。
日本側(高コンテキスト寄り)では、別のルールが強い:
話す=空気を壊すリスク、質問=相手を疑うリスク、合意=関係の確認。
| 場面 | 外側の期待 | 日本側の傾向 | 事故ポイント |
|---|---|---|---|
| 会議 | 早い反応、暫定でも立場 | 検討してから発言 | 沈黙=反対/理解してないと誤読 |
| 質問 | 確認は善 | 失礼を恐れる | 確認不足=後で揉める |
| Yes | Yes=同意/実行 | Yes=聞いた/理解した | Yesなのに進まない |
つまり必要なのは“英語力”より先にプロトコル変換。
「日本の礼儀」を捨てずに、外側の期待に合わせる言い方を覚えれば勝てる。
「日本の礼儀」を捨てずに、外側の期待に合わせる言い方を覚えれば勝てる。
2) 外側が誤読しやすい日本的サイン
外側から見ると、次のサインが誤読されやすい:
| 日本側の意図 | よくある表現 | 外側の誤読 | 修正案(英語) |
|---|---|---|---|
| 検討します | 検討します/前向きに | OKだと思った | We need to review internally. We’ll confirm by Friday. |
| 失礼を避ける | ちょっと難しい | 交渉余地がある | That won’t work for us due to ___. We can offer B. |
| 理解した | Yes / I see | 同意した | I understand. I’m not agreeing yet. Let me confirm. |
| 関係維持 | 丁寧すぎる前置き | 自信がない/弱い | Quick update: ___ / Action needed: ___ |
「丁寧」そのものは武器。問題は、丁寧さの中に期限・選択肢・次アクションが入っていないこと。
3) 会議:沈黙/Yes/合意がズレる瞬間
外側の会議は“ディスカッション”より“意思決定装置”。だから求められるのは:
- 暫定でも立場(tentative position)
- 質問で確定(scope / timeline / owner)
- 合意=次アクション(who does what by when)
沈黙を“価値”に変える
“Let me think for 10 seconds.”
“Here’s my current view (tentative).”
“I may change my view after we confirm X.”
“Here’s my current view (tentative).”
“I may change my view after we confirm X.”
沈黙を宣言し、暫定立場を置く。これだけで誤読が減る。
Yes問題の解決
“I understand.” (理解)
“I agree.” (同意)
“I can commit.” (実行する)
“I agree.” (同意)
“I can commit.” (実行する)
理解・同意・実行を分ける。外側はここを見ている。
4) メール:丁寧さが弱さに見える瞬間
外側のメールは“会話の代替”ではなく、“記録+指示”の装置。だから短いほど強い:
Subject: Action required by Friday EOD
- Summary: ___
- Decision needed: ___
- Options: A / B
- Deadline: ___
- Next step owner: ___
- Summary: ___
- Decision needed: ___
- Options: A / B
- Deadline: ___
- Next step owner: ___
日本的な丁寧さは残してOK。ただし先に結論、次に礼儀。
5) 交渉:押し返しを“失礼”だと思う罠
外側の交渉で押し返さないと、相手は「OK」と判断する。
交渉は人格戦ではなく条件の調整。押し返しは失礼ではなく、事故防止。
| 日本側の癖 | 外側の誤読 | 言い換え(丁寧+強い) |
|---|---|---|
| 曖昧に断る | 交渉余地が大きい | We can’t accept A. We can accept B if ___. |
| 結論を遅らせる | 優先度が低い | We’ll decide by Wednesday. Here are the criteria. |
| 相手の面子を守りすぎる | 何が問題か不明 | The issue is scope. If we reduce scope, we can deliver. |
6) 雑談:目的が違う(関係 vs 情報)
外側の雑談は「相手が安全か」を測るセンサー。
ここで完璧な英語は不要。必要なのは短い自己開示+質問。
“How was your weekend?” → “Pretty good. I ___ . How about you?”
“Where are you based?” → “I’m based in Tokyo. I work on ___. What about you?”
“Where are you based?” → “I’m based in Tokyo. I work on ___. What about you?”
雑談は英語力の試験ではない。関係の入口。入口が開くと仕事が軽くなる。
7) 日本の強みを武器化する(外側視点の再設計)
外側から見た日本の強みは、実は“英語力”ではなく仕事の品質にある:
- 品質・正確さ(仕様、手順、再現性)
- 丁寧さ(相手への配慮、信頼)
- 準備(資料、背景、想定問答)
- 継続力(運用、改善)
強みの武器化とは:短い英語で、強みが見える形にすること。
例:正確さ → “Let’s confirm scope and owner to avoid mistakes.”
例:正確さ → “Let’s confirm scope and owner to avoid mistakes.”
8) すぐ使える台本(会議・メール・交渉)
会議:立場+条件
“My current view is ___.
If we confirm X, I can commit to Y.
If not, I suggest option B.”
If we confirm X, I can commit to Y.
If not, I suggest option B.”
“暫定”と言って立場を置く=外側の期待に合う。
メール:短く確定
“Quick update: ___
Action needed: ___
Deadline: ___
Owner: ___”
Action needed: ___
Deadline: ___
Owner: ___”
前置きが長いほど弱く見える。結論→礼儀。
交渉:丁寧にNo
“We can’t accept A as-is.
We can accept B if ___ .
If that works, we can proceed today.”
We can accept B if ___ .
If that works, we can proceed today.”
No+代案+前進条件。外側はこれを待っている。
誤解防止:確認
“To avoid misunderstanding, let me confirm:
1) scope 2) deadline 3) owner”
1) scope 2) deadline 3) owner”
確認は失礼ではなく、プロの動き。
外側の人は、あなたのアクセントより判断の速さと合意の取り方を見ている。
台本でプロトコルを変えれば、英語は一気に“強く見える”。
台本でプロトコルを変えれば、英語は一気に“強く見える”。
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