TOEIC Economy|点数が“通貨”になった日本の英語市場
TOEICはテストの顔をしているけれど、実態は雇用・昇進・研修・転職をつなぐ点数経済です。 だから強い。だから歪む。ここでは「何が起きているか」を構造で見て、あなたが損しない学習戦略を作ります。
結論:TOEICは「英語力そのもの」ではなく、比較可能な指標として使われる。
だから便利。でも、あなたの目的(会議・交渉・海外仕事)とズレると遠回りになる。
だから便利。でも、あなたの目的(会議・交渉・海外仕事)とズレると遠回りになる。
目次
1. なぜ点数が必要だったか
2. 点数が“通貨”になる条件
3. 産業ループ(教材→研修→評価→昇進)
4. ミスマッチ:点数が高いのに話せない
5. 学習戦略:点数と実務を両立
6. 企業側:点数をどう使うと良いか
1) なぜ点数が必要だったか
組織が欲しいのは「英語ができる人」よりも、採用・配置・昇進を説明できるルールです。 点数は、比較と説明ができる。つまり管理コストが下がる。
- 採用:大量応募をふるいにかける
- 昇進:不透明さを減らす(建前として)
- 研修:成果を数字で示せる
- 転職:持ち運べる指標
点数は“真実”ではなく“管理ツール”。だから強い。だから盲信すると損する。
2) 点数が“通貨”になる条件
| 条件 | 意味 | TOEICの強み/弱み |
|---|---|---|
| 比較可能 | 人を並べられる | 強い(でも誤差はある) |
| 再現可能 | 繰り返し測れる | 強い(対策で上がる) |
| 説明可能 | 社内で説明できる | 強い(建前として) |
| 現場適合 | 実務に直結 | 弱い(会話/交渉は別) |
“通貨”は「現場適合」が弱くても成立する。だから、学習者は目的別に別スキルを積む必要がある。
3) 産業ループ(教材→研修→評価→昇進)
点数は市場を作る。市場は投資を呼ぶ。投資はさらに点数を強化する:
HRが基準を作る → 研修が売れる → 教材が売れる → 対策が体系化 → 点数が上がる → HRが基準を維持
このループの中では、あなたの「話せるようになりたい」は後回しになることがある。
ループを理解して、意図的に“会話の訓練”を足す必要がある。
ループを理解して、意図的に“会話の訓練”を足す必要がある。
4) ミスマッチ:点数が高いのに話せない
話せないのは能力不足ではなく、訓練の種類が違うから:
| TOEICで強くなる | 会議で必要 | 橋渡し |
|---|---|---|
| 読む/聞く(情報処理) | 短文で合意を取る(運用) | 動詞+確認質問+書き換え |
| 正解を選ぶ | 曖昧を確定する | By when? Included? Owner? |
| 受動的 | 能動的(主導) | align / propose / push back |
5) 学習戦略:点数と実務を両立
結論:二刀流です。点数は“門”。実務は“戦場”。両方必要なら、配分を決める:
| 目的 | 配分 | やること |
|---|---|---|
| 昇進/転職の門 | TOEIC 70% / 実務 30% | Part別対策+週2で会議フレーズ |
| 海外PJ/会議が主 | TOEIC 30% / 実務 70% | 聞く+確認+書き換え+実案件 |
| 両方(半年) | 前半TOEIC / 後半実務へ寄せる | 門を超えたら戦場へ |
“門”を超えたら、TOEIC比率を落とす。いつまでも門の前で鍛えても戦えない。
6) 企業側:点数をどう使うと良いか
企業が点数で失敗する典型:
- 点数だけで海外担当を決める(会議力がない)
- 研修を点数目標だけにする(現場で詰む)
- 点数の上がらない人を切る(実務で強い人がいる)
よい運用:TOEICは“基礎の目安”。それとは別に、会議・メール・交渉の実技評価を作る。
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